近づいてきていた集団を撃退した後、シン達は一旦平原の外へ出て休憩をとっ

近づいてきていた集団を撃退した後、シン達は一旦平原の外へ出て休憩をとっていた。
ラシアも精神的にまいってはいるものの、急速なレベルアップの甲斐あって体力、魔力などは絶好調といえる状態だった。

「うう、死ぬかと思いました」
「俺らがいてそれはねぇな」
「そりゃないが、一般人にバイオハウンドはきついと思うぞ。特に見た目が」
「思い出させないでくださいよ～」

内臓を引きずりながら迫ってきた光景を思い出したのか。肩を震わせてラシアは二人を睨む。凄味が微塵もないのはご愛敬だ。

「そういえばモンスターとの戦闘って初めてなのか？」
「経験がないってわけじゃないですけど、さすがにいきなりあれは驚きますよ！ というよりレベルが上がりすぎて怖いんですけど！」
「さすがにレベル差がありすぎるからな。とはいえレベル一桁じゃ条件クリアなんて夢のまた夢だし。てかたぶん【浄化】取得するころには１５０近くになってると思うぜ」

ラシアは転生なしのヒューマンなのでレベルが面白いように上がる。おそらくレベルだけならヴィルヘルムに近いものになるだろう。戦闘力は天と地くらいの幅があるがそもそも役割が違うのでそこは問題にならない。

「それはそうですけど、体は軽いですし、なんだか魔力があふれてくるような気もします。でも自分の体が別物になっていくみたいでちょっと怖いです」
「普通は少しずつ上がるもんだからな。あからさまに実感するもんじゃねぇし」
「こればかりは慣れるしかないな。で、追い打ちをかけるみたいで悪いがラシアにはこれを使ってもらう」

そう言ってシンがとりだしたのは【ヒール】と【キュア】の秘伝書だ。先ほどの戦闘でわかったのだがアーツのヒールはスキルによるヒールよりかなり効果が弱い。ティエラがおよそ三分の一と言っていたが使い手によってはそれ以下になると考えられる。レベル差もあったのだろうがそれにしても与えるダメージが低すぎた。一気にレベルが上がり、４０近くになったにもかかわらず瀕死のバイオハウンドに数発撃たなければならないなど正直に言って話にならない。
そんな事情もあり、これはスキルの方を覚えさせた方がいいと考えたのだ。サービスということになるが攻撃系のスキルではないのでもし誰かに教えたとしてもそう悪いことにはならないだろうという考えもある。

「なんですか？ それ」
「秘伝書って言ってな。これを使うと内容に応じたスキルが使えるようになる。今回は【ヒール】と【キュア】だ」
「へぇ、スキルが使えるように……ってそんな高価なものもらえませんよ！？ お金にしたらどのくらいになると思ってるんですか！ 孤児院がなくなっちゃいますよ！」

スキルがどういうものか知っているラシアとしてはシンのやっていることが全く理解できない。ラシア達一般人にとってスキルというのは知識として持っているものであって実際に行使するものではないのだ。
金銭を出して教えてもらうこともできると知っている分だけ、シンの言っていることがとんでもないことだとわかってしまう。

「俺のことを秘密にしてくれるなら対価はいらない。もともと覚えさせるつもりだったしな。これがあれば苦しんでいる人の助けにもなるだろ」
「それで？ くせぇセリフを言うのはいいが本音はなんだ？」

少々キャラじゃないセリフでその場を流そうとしたシンだが、どうにも胡散臭すぎたようだ。ヴィルヘルムの目が嘘こいてんじゃねぇと言っていた。

「アーツじゃ埒が明かない。これ使ってレッツスピードアップ」
「おまえがめんどくせぇだけか！」
「見事なツッコミ。まあ今のは半分冗談なんだが。アーツの威力は俺よりもお前たちのほうが知ってるだろ？ そりゃレベル差もあるんだろうが、あれじゃ時間がかかりすぎる。二百体倒すんだ。そう何日も孤児院をトリアさん一人に任せるわけにもいかないし、俺たちがいない間に例の奴が何か仕掛けてこないとも限らないだろ」

そう言われると反論しづらくなる孤児院組。実際問題として効率が悪いことはわかっていたので損はないのだ。どちらも教会で役に立つスキルでもある。
この世界の常識としてはいささか外れた行為ではあるが、先の二つのスキルはゲーム時代でいえば新規で始めたばかりの初心者にちょっとした手助け感覚で渡す程度のスキル。正直なところ、シンとしては出所さえ隠してくれれば広めてしまってもいいとすら考えていた。
もちろん、自分たちがいない間に孤児院に何かあってはまずいというのが一番の理由だ。当事者のラシアとおそらく戦力としては最高のヴィルヘルム。二人の不在は相手から見れば好機と映ってもおかしくない。

「わかりました。お言葉に甘えさせていただきます」
「そうしとけ」

恐る恐るといった表情でラシアは秘伝書を開く。途端、ティエラのときと同じエフェクトがラシアを包み、わずかな間をおいて消える。

「どうだ？」
「あ、はい。たしかに使い方がわかりました」
「内容を読んで覚えるわけじゃねぇのか」
「やり方が頭に入ってくるって聞いてるぜ」
「そうですね。言葉で説明するのが難しいんですけど」

秘伝書をもっていた手を見つめながら感慨深そうにつぶやく。

「んじゃ、さっそく次行くか」
「だな」
「わ、わかりました」

体力はもともと消耗していなかったのですぐに動き出す。フィールド内に入るとポーン級スカルフェイスやバイオハウンドが近づいてくるがレベルが上がったのも手伝ってラシアのヒールが面白いように効果を発揮した。
アーツではゆっくりと薄れていくだけだったバイオハウンドの纏う仄暗いオーラが、風に吹き飛ばされる煙のように一瞬で掻き消えていく。弱らせる必要もなく数発のヒールでバイオハウンドが消滅していくのを見て、シンはスキル継承者が優遇されるはずだと理解した。

「威力違いすぎだろ」
「ん？ アーツなんてあんなもんだろ」
「いや、アーツ見たの初めてでな」
「……納得した自分にびっくりだよ」

軽口をたたきながらも手は止めない。ヴィルヘルムがヴェノムでジャック級スカルフェイスの手足を砕けば、シンはLv,１６３の人型モンスター、グレイオークを刀の峰を使って叩きつぶす。
グレイオークは別名ゾンビオークとも呼ばれる。見た目もそのままで、まさにオークのゾンビバージョンといえるモンスターだ。

「傷つきし者に安らぎを、ヒール！！」

弱ったところにすかさずラシアのヒールがきまる。レベル差はまだ大きいがスキルとなったヒールはアーツのときとは桁違いの効果を発揮し、多少てこずりながらも二体のアンデッドを光の粒子へと変えた。
急速なレベルアップとスキルとなったヒールの相乗効果に使った本人であるラシアが最も驚いていた。

「これなら少しはスピードアップできそうだな」
「つっても条件満たしてるやつがほとんどいねぇ。封印の外側なら仕方がねぇんだろうがじれってぇな」
「……ちょっと待った。封印って何の話だ？ 初耳なんだが」
「おいおい、知らずにきたのかよ。ここは間違っても危険なモンスターが外に出ねぇように平原の内側にモンスター避けのアイテムが設置されてんだ。どうやら中心に近いほどレベルの高ぇアンデッドがわくらしくてな。ギルドが厳重に管理してる」
「なるほど、強い奴らに効果を集中させて弱いのは放置か」
「封印用のアイテムもそう数があるわけでもないらしいからな。ここにばっか使うわけにもいかねぇんだろうよ」

どうやら中心に近いほど深い階層扱いされるらしい。
ダンジョンは深い階層ほどモンスターが強くなる。階層の深さがダンジョンコアへの距離へ変更されているようだ。

「封印の内側に入るにはどうしたらいいんだ？」
「Aランク以上の冒険者のギルドカードがありゃ問題ない。ギルドが管理してるからこそだな」
「なら問題なしか。今夜は封印の内側で戦闘だな」

グレイオークが消えていくの見ながらシンが言う。ラシアのレベルが上がってきたせいか、低レベルのモンスターがあまり近づいてこなくなったのだ。さすがにジャック級スカルフェイス並のレベルをもつモンスターは襲ってくるが、数が少ないのか最初に見た数体と今しがた倒した二体以外には全くといっていいほど遭遇していない。
今だ撃破数は両手で足りるほどで目標数には程遠い。しばらく戦闘を続け、ラシアのレベルが８０を超えたところで一旦切り上げることにした。

拠点に戻った後、日が沈むまで仮眠をとる。周囲は明るかったが念のためシンとヴィルヘルムが交代で見張りをする。ラシアは精神的に疲れていたのか横になってからさほど時間をおかずに眠ってしまった。
見張りをしている間は暇なのでスキルの検証を行うことにしたシン。初めにいた平原では攻撃系のスキルを重点的に試したので今回は探知系のスキルを使う。ゲーム時は同時使用できる数に制限があったのでまずは限界までスキルを発動させていく。

「これは……」

呟きがもれる。
ものはためしと限界数以上のスキルを発動させたところ、問題なく効果を発揮したのだ。さらに同時使用できなかったスキルの発動までできた。例を上げるなら【気配察知】と【索敵サーチ】の併用。それもそれぞれの効果の長所が合わさり、短所がほぼ消滅。効果範囲が広がり、個体の識別まで可能となっていた。

「スキルの効果が合わさってもはや別物だな。効果が似たスキルは同時に使うと何か変化があるのか？」

要検証だなと脳内メモに書きたす。今のところメリットの増えるパターンしかないがそう都合よくいくだろうかとつい疑ってしまう。

「逆パターンがありそうで怖い。似たようなのは試しておかないとヤバそうだ」

致命的な欠点が出そうなものに心当たりはないが自動で発動するタイプにまで効果があるのか、任意発動するタイプ限定なのかなどいろいろな考えが脳内をめぐる。
見張りの時間はスキルの検証をするうちに瞬く間に過ぎていった。

日が沈んで時刻は夜八時。頃合いと判断したシンとヴィルヘルムはラシアを伴って亡霊平原の奥地へと歩を進めていた。多少時間がかかるかと思っていたシンだが、日が沈み月が顔を見せると平原を覆っていた靄が月明かりに散らされるように消えていったので大した手間もなくここまで進むことができた。

「あの靄はなんだったんだろうな。てっきり夜も出てるもんだと思ってたんだが」
「さあな、魔術師連中の話じゃダンジョン内の魔力が漏れ出してんじゃねぇかって話だが」
「魔力が？」
「なんでもダンジョン自体がアンデッドみたいなもんらしくてな。なまじ地上に出ちまってるせいで日が当たるとダンジョンを満たしてる魔力をとどめきれずに地上に漏れ出してんじゃねぇかって考えてるみてぇだな」
「へぇ、確かに理屈としては分からなくもないな」

日に弱いのはアンデッド共通の弱点だ。実際、日の出ている場所にアンデッドを出すと黒いオーラ――目視できるＨＰのようなもの――が時間とともに空中に放出されていく。おそらくその大規模版が日中に発生する靄の正体なのだろう。

「んじゃ今は失った魔力の回復中かな」
「だろうな。まあ今の俺らにゃ関係ねぇことだ」

それもそうだと返してしばらく歩くと青い透明な壁が張り巡らされているのが見えてきた。どうやら封印の場所についたらしい。

「これが？」
「ああ、昼間話した封印だ。青い壁は視覚化してるだけで空中も覆ってるって話だな」
「なるほど」

壁といってもせいぜい４メルほどしかなかったので飛び越えられるんじゃないかと思ったシンだったが、どうやらいらぬ心配だったようだ。

「開けるのはいつでもできる。全員準備はいいか？」
「俺はいつでも」
「わ、私も大丈夫」
「クゥッ！」

ヴィルヘルムの言葉に全員が答える。それを確認したヴィルヘルムがギルドカードを壁に触れさせると縦２メル、横１メルほどの空間ができた。ここから入ればいいようだ。
入る順番はまず封印内での戦闘経験のあるヴィルヘルム。そこにユズハとラシアが並んで入り、最後にシンだ。一応後ろからモンスターが来ても大丈夫なようにという保険である。
封印の内部は外と違いらしい違いはなく、見たところ地続きになっているだけに見える。
しかし、スキ

Kết quả (Anh) 1:

After repelling a group was coming shinn達 once out out of the Plains, was taking a break. Eurasian too because it comes spiritually, even though rapidly improve the level of dedication and excellent stamina, magic, and it was.I uhhh, die?"I was and it hit Hey,""Well I think, but in General tight biohound. Especially it looks ""I remind ~" Reminds me of approaching limped visceral spectacle? Shaking the shoulders, two Eurasian glares. Grimness is unafraid of dates;"Speaking of combat with the Monster for the first time what? 」"It's not experience, but indeed suddenly surprised that it! Rather than level too, but I'm scared! 」"From the level difference too is indeed a. Although level 1 digit of dream condition clear also dreams, and. Heck maybe [purify] I'm trying to get in close to 150? " Eurasian reincarnation without the up level is interesting as a human. Would probably only if the level close to Wilhelm. Combat power is the width of the heavens and the Earth as a different role to begin with because there is not problem."But it seems the body light come filled with magic, sushi, why do I feel. But my body seems to become different and scary ""Normally goes up little by little from that. To realize the overtly monja!? and ""I get is not only a. With them using this for Eurasian seems to add insult to injury, the bad " Said, his thin [heel] and [cure] the secret annexes. By heel arts skills found in the earlier battle of heel than pretty effect is weak. Tierra was saying and approximately 1 / 3 depending on the wielder becomes less possible. Damage levels were probably still too low. Despite the nearing 40, suddenly raised his level in the dying biohound must shoot number and to be honest, not to talk about. It's thought such circumstances, this skill to remember better. There would not have told someone, and even in attack skills become a service that is not so bad."What is it? It "", Said the secret document. Skill and use it according to the content becomes available. This time [heel] and [cure]. ""To, to use skills. So you get much more expensive.! I'm thinking of how long that money once?! Is my brain was possessed the orphanage! 」 Are doing thin as Eurasian knows or what one skill may not quite understand. It's Eurasian their civilian skills that have knowledge as the actual exercise for the No. Understood this ridiculous saying only they know can be taught out of money, Singh said."Don't make it a secret that my consideration. Shinano was going to originally be remembered. Going to help people suffering from it "See it? Even though I say hey truth!? 」 We spot a little character's lines and thin, but anyhow 胡散臭 too it seems. Nothing Wilhelm eyes lie had to say hey."It's the arts accomplish nothing. With this Let's speed up '「おまえがめんどくせぇだけか！」「見事なツッコミ。まあ今のは半分冗談なんだが。アーツの威力は俺よりもお前たちのほうが知ってるだろ？ そりゃレベル差もあるんだろうが、あれじゃ時間がかかりすぎる。二百体倒すんだ。そう何日も孤児院をトリアさん一人に任せるわけにもいかないし、俺たちがいない間に例の奴が何か仕掛けてこないとも限らないだろ」 そう言われると反論しづらくなる孤児院組。実際問題として効率が悪いことはわかっていたので損はないのだ。どちらも教会で役に立つスキルでもある。 この世界の常識としてはいささか外れた行為ではあるが、先の二つのスキルはゲーム時代でいえば新規で始めたばかりの初心者にちょっとした手助け感覚で渡す程度のスキル。正直なところ、シンとしては出所さえ隠してくれれば広めてしまってもいいとすら考えていた。 もちろん、自分たちがいない間に孤児院に何かあってはまずいというのが一番の理由だ。当事者のラシアとおそらく戦力としては最高のヴィルヘルム。二人の不在は相手から見れば好機と映ってもおかしくない。「わかりました。お言葉に甘えさせていただきます」Get it so Fearfully, look at open secrets is Eurasian. As soon as the wrapped Eurasian Tierra the same effects, slight pause disappear.See what? 」"Oh, Yes. Certainly showed how ""Don't read the contents, remember it?""Way in the head coming, asking why""Isn't it. But it is difficult to explain in words " Staring at hand with secret Tweet so deep deep emotion."I immediately following I go?"A ".""I found" Because it is not originally exhausting moves quickly. Eurasian heel is interesting as effective, partly because increased levels approaching pawn luxury Scarface and biohound fields in the. Smoke dark aura clad biohound was just slowly fade in the arts of blowing in the wind to go 掻ki消ete at the moment. Without debilitating and Singh should be favored successor skill saw biohound disappear in several."Power difference between too much?"See it? An unkind Arts!? ""Yes, I saw the arts and for the first time"「……納得した自分にびっくりだよ」 軽口をたたきながらも手は止めない。ヴィルヘルムがヴェノムでジャック級スカルフェイスの手足を砕けば、シンはLv,１６３の人型モンスター、グレイオークを刀の峰を使って叩きつぶす。 グレイオークは別名ゾンビオークとも呼ばれる。見た目もそのままで、まさにオークのゾンビバージョンといえるモンスターだ。「傷つきし者に安らぎを、ヒール！！」 弱ったところにすかさずラシアのヒールがきまる。レベル差はまだ大きいがスキルとなったヒールはアーツのときとは桁違いの効果を発揮し、多少てこずりながらも二体のアンデッドを光の粒子へと変えた。 急速なレベルアップとスキルとなったヒールの相乗効果に使った本人であるラシアが最も驚いていた。「これなら少しはスピードアップできそうだな」「つっても条件満たしてるやつがほとんどいねぇ。封印の外側なら仕方がねぇんだろうがじれってぇな」「……ちょっと待った。封印って何の話だ？ 初耳なんだが」「おいおい、知らずにきたのかよ。ここは間違っても危険なモンスターが外に出ねぇように平原の内側にモンスター避けのアイテムが設置されてんだ。どうやら中心に近いほどレベルの高ぇアンデッドがわくらしくてな。ギルドが厳重に管理してる」「なるほど、強い奴らに効果を集中させて弱いのは放置か」「封印用のアイテムもそう数があるわけでもないらしいからな。ここにばっか使うわけにもいかねぇんだろうよ」 どうやら中心に近いほど深い階層扱いされるらしい。 ダンジョンは深い階層ほどモンスターが強くなる。階層の深さがダンジョンコアへの距離へ変更されているようだ。「封印の内側に入るにはどうしたらいいんだ？」「Aランク以上の冒険者のギルドカードがありゃ問題ない。ギルドが管理してるからこそだな」「なら問題なしか。今夜は封印の内側で戦闘だな」 グレイオークが消えていくの見ながらシンが言う。ラシアのレベルが上がってきたせいか、低レベルのモンスターがあまり近づいてこなくなったのだ。さすがにジャック級スカルフェイス並のレベルをもつモンスターは襲ってくるが、数が少ないのか最初に見た数体と今しがた倒した二体以外には全くといっていいほど遭遇していない。 今だ撃破数は両手で足りるほどで目標数には程遠い。しばらく戦闘を続け、ラシアのレベルが８０を超えたところで一旦切り上げることにした。

拠点に戻った後、日が沈むまで仮眠をとる。周囲は明るかったが念のためシンとヴィルヘルムが交代で見張りをする。ラシアは精神的に疲れていたのか横になってからさほど時間をおかずに眠ってしまった。
見張りをしている間は暇なのでスキルの検証を行うことにしたシン。初めにいた平原では攻撃系のスキルを重点的に試したので今回は探知系のスキルを使う。ゲーム時は同時使用できる数に制限があったのでまずは限界までスキルを発動させていく。

「これは……」

呟きがもれる。
ものはためしと限界数以上のスキルを発動させたところ、問題なく効果を発揮したのだ。さらに同時使用できなかったスキルの発動までできた。例を上げるなら【気配察知】と【索敵サーチ】の併用。それもそれぞれの効果の長所が合わさり、短所がほぼ消滅。効果範囲が広がり、個体の識別まで可能となっていた。

「スキルの効果が合わさってもはや別物だな。効果が似たスキルは同時に使うと何か変化があるのか？」

要検証だなと脳内メモに書きたす。今のところメリットの増えるパターンしかないがそう都合よくいくだろうかとつい疑ってしまう。

「逆パターンがありそうで怖い。似たようなのは試しておかないとヤバそうだ」

致命的な欠点が出そうなものに心当たりはないが自動で発動するタイプにまで効果があるのか、任意発動するタイプ限定なのかなどいろいろな考えが脳内をめぐる。
見張りの時間はスキルの検証をするうちに瞬く間に過ぎていった。

日が沈んで時刻は夜八時。頃合いと判断したシンとヴィルヘルムはラシアを伴って亡霊平原の奥地へと歩を進めていた。多少時間がかかるかと思っていたシンだが、日が沈み月が顔を見せると平原を覆っていた靄が月明かりに散らされるように消えていったので大した手間もなくここまで進むことができた。

「あの靄はなんだったんだろうな。てっきり夜も出てるもんだと思ってたんだが」
「さあな、魔術師連中の話じゃダンジョン内の魔力が漏れ出してんじゃねぇかって話だが」
「魔力が？」
「なんでもダンジョン自体がアンデッドみたいなもんらしくてな。なまじ地上に出ちまってるせいで日が当たるとダンジョンを満たしてる魔力をとどめきれずに地上に漏れ出してんじゃねぇかって考えてるみてぇだな」
「へぇ、確かに理屈としては分からなくもないな」

日に弱いのはアンデッド共通の弱点だ。実際、日の出ている場所にアンデッドを出すと黒いオーラ――目視できるＨＰのようなもの――が時間とともに空中に放出されていく。おそらくその大規模版が日中に発生する靄の正体なのだろう。

「んじゃ今は失った魔力の回復中かな」
「だろうな。まあ今の俺らにゃ関係ねぇことだ」

それもそうだと返してしばらく歩くと青い透明な壁が張り巡らされているのが見えてきた。どうやら封印の場所についたらしい。

「これが？」
「ああ、昼間話した封印だ。青い壁は視覚化してるだけで空中も覆ってるって話だな」
「なるほど」

壁といってもせいぜい４メルほどしかなかったので飛び越えられるんじゃないかと思ったシンだったが、どうやらいらぬ心配だったようだ。

「開けるのはいつでもできる。全員準備はいいか？」
「俺はいつでも」
「わ、私も大丈夫」
「クゥッ！」

ヴィルヘルムの言葉に全員が答える。それを確認したヴィルヘルムがギルドカードを壁に触れさせると縦２メル、横１メルほどの空間ができた。ここから入ればいいようだ。
入る順番はまず封印内での戦闘経験のあるヴィルヘルム。そこにユズハとラシアが並んで入り、最後にシンだ。一応後ろからモンスターが来ても大丈夫なようにという保険である。
封印の内部は外と違いらしい違いはなく、見たところ地続きになっているだけに見える。
しかし、スキ

Kết quả (Anh) 2:

After fighting off a group that was getting closer, Singh who was taking a break and once out to the outside of the plain.
Although Rashia also the wreck to mental, rapid level up Kai matching physical strength, such as magic was a state that it can be said that the best condition. The "Uhh, or did you think to die," "it is not Na have There are I, et al.," and "there is no Sorya, you'll think bio hound and tight to the public. In particular appearance" "~ I please do not remind" is imminent while dragging visceral and whether I remembered the scene has been. In trembling shoulder Rashia glares two people. It 's your Aekyung for there is no speck dreadfulness. "Is it the first time I so Speaking battle with the monster?" "I Is not mean I have no experience, I'd scary too high level rather than any you'll! surprise and indeed suddenly!" "indeed 's a Na. The dream of a dream Nante said level one digit 's condition clear and because too there is a level difference in. Heck maybe [purification] is ze I think the time to get has become close to 150 " Rashia is no reincarnation Since Human a go up to level it is interesting. It will probably be close to Wilhelm if level only. Since the fighting force is different but the role in the first place there is a range of about heaven and earth there is not a problem. "But it is so, to the body is light, somehow you also feel like coming full of magic. But is like a little scary my body is going to become a different thing," "I'll usually I rubbed it up little by little. openly and do not 's mon to realize " Na no choice but "this just get used. in, but bad in like add insult to injury" to get through this in Rashia [cure The [heel] was taken out is true to say so It's secret notes of]. Although he was found in the previous combat arts of the heel is much less effective than the heel by skill. Tierra but had said approximately one-third is considered to be by the consumer becomes less. It will was also level difference but damage that would give Anyway was too low. Stretch level is increased, it is not a story to say that such honest must be shot a few rounds in the dying of bio hound despite it became near 40. Such circumstances also there, this is he who was allowed to remember the people skills were considered good. Since it is to the fact that the service is not the skill of the attack system is also thought that it would not be so bad even if taught to someone. "What? It," "Do not say I secret notes. With this skill can be use in accordance with the contents. This time it's [cure] and [heel]" "Oh, as skills can use ... ... you do not get such an expensive thing I!? Which I think is a much to become one! orphanage will have gone by! "After the money is that as the Rashia the skills you know what kind of things you're doing with Singh but I can not quite understand. Because skills for Rashia our public's not intended to actually exercise it be those that have as knowledge. By the amount that you know that it can also be be taught by issuing the money, you would know that the thing is outrageous that you are saying Singh. "My do not need the consideration if us to secret that. Do not to was going to make originally remember. And going to the help of people who are suffering, if there is this." "So? but nice to say Kuse~e serif real intention What is it? "is it's Singh were attempts to pass the place in words not a little character, but it seems to have any way too Usankusa. Wilhelm's eyes I had to say and not a lie Koiten. "Arts' s Karachi is not clear. Use this Let's speed up" "You whether Mendokuse~edake!" "stunning Tsukkomi. Well now the'm half joke. arts of power is more of you guys than me but I wonder there is also? Well level difference would know, it 's time is too much. I do defeat two hundred bodies. and do not afford to be so many days even the orphanage to not leave to Tria's one person, there are no us guy examples are also not likely "limited and not come gimmick something between orphanage set to become difficult to argue that it is said so. I'm not hurt because it knew the actual efficiency is poor as a problem. Neither it is also a skill useful in the church. Although there is an act out somewhat as the common sense of this world, ahead of the beginner to the degree of skill to pass a little help feeling just starting a new Speaking in two skills game era. To be honest, as the dead was thinking even as I also got spread I felt that if hidden even origin. Of course, it's most of the reason is that bad is there something in the orphanage while themselves not. The best Wilhelm as Rashia probably strength of the parties. Two of absence is not funny, even if reflected as an opportunity from the viewpoint of the other party. and "Okay. Contact words I will graces" "layers were Oke be" in gingerly, such as facial expressions Rashia open the secret notes. Soon, the same effect as when the Tierra is wrapped Rashia, disappear at intervals slight. and "How is it?" "Oh, yes. Certainly we know how to use" "It 's not whether but remember to read the contents" "you are ze heard way comes into the head" to that described in "That's right. Words and it's difficult but " you mutter to deep emotion likely while staring at the hand that had the secret notes. "Nja, immediately or the next go" and "Do it," "I, Okay" physical strength can start moving immediately because originally was not exhausted. Once in the field pawn class skull face and bio-hound is approaching, but was effective as interesting heel of Rashia to help the level went up also. 仄暗have aura wears the bio hound that was just fade slowly in the arts is, go Kakikie in the blink of an eye as the smoke that is blown away by the wind. In a few shots of the heel without any need to weaken to see that bio hound is going to disappear, Singh was understood that should skills successor is preferential treatment. "Going too different power" "do? Arts Nante will Anna mon" "No, the first time a Na and saw Arts" and "I'm surprised myself that ...... consent" can not stop hand while tapping the joke. If broken the Wilhelm limbs of Jack class skull face in Venom, Singh crush using the peak of the sword Lv, 163 of humanoid monster, a gray oak. Gray Oak is also called alias zombie oak. It looks as it is, it's the monster that it can be said that the very oak zombie version of. "Peace to hurt to person, and heel!" to the weakened place split second heel of Rashia is determined. Heel level difference is still large but that was a skill is to demonstrate the order of magnitude of effect as in the arts, it changed somewhat to light particles undead of two-body even while Tekozuri. Is a person who used to rapidly level up and skill that became heel of synergy Rashia it had been most surprised. "This if a little Do not likely can speed up" and "the guy who meets conditions even cramp Hey Hotondoi. It will do not is outside if the way of sealed but Jire~tsu want Na" was waiting "...... a little. sealed What the of the story is it? never heard of do it, but " I'll "Hey, what came to not know. Here I'm in dangerous monster is installed the items of salmon monster on the inside of the plain so as not to go out even wrong. Apparently close to the center as is seems high tut undead level frame Na. guild is strictly managed, " "I see, strong guys in or leaving the weak and to concentrate the effect" "nor there are several layers are also items for seal Na because apparently. I'll wonder not afford to not use Bakka here. " It was going to be deep hierarchy treats closer to the center. Dungeon monster becomes stronger deeper hierarchy. The depth of the hierarchy seems to have been changed to the distance to the dungeon core. "I wish I copper to enter the inside of the seal?" "Guild card of A rank or more of adventurers is if there is no problem. Guild is what I Na because they managed" or Nashi "If a problem. of tonight sealed Combat's Na "on the inside while watching the gray oak disappear Singh says. Perhaps because Rashia level has been raised, he of the low-level monster is no longer come much closer. monster expected to have a level of jack-class skull face Nami come hit, but it has not been encountered about other than first two bodies defeated number field and just seen what a small number and I say it at all. But now the number of defeat is far from the target number in enough to suffice with both hands. Continued fighting while, the level of Rashia has decided to round up once where more than 80. After returning to base, take a nap until the sun sets. Ambient was bright to the lookout at the core and Wilhelm is change just in case. Rashia fell asleep side dish the less time from lying or was tired mentally. Singh was to be carried out to verify the skills so between is a time to have a lookout. Because in the plains who were in the beginning was focus on trial skills of attack system this time to use the skills of the detection system. Game time is going to trigger the skills to First limit because there was a number to limit that can be used simultaneously. "This is ......" tweet it leak. Thing was allowed to trigger the trial and limit the number of more than skill, it exerted a problem without any effect. In addition we were able to activate skills that could not be used simultaneously. If raising the example [sign perceive] and [search operation search] combination. It also has the advantage of each effect mate, disadvantages almost disappeared. Effects range spreads had become possible to identify the individual. "Do you no longer different things combine the effect of skill. Whether the effect was similar skills have any change in use at the same time?" Na's needed verification and is plus write to the brain within the memo. For now there is only a pattern that increases the benefits, but would suspect about to be or would go so conveniently. "Reverse pattern it is likely a scary. Similar to the If you do not try Yaba likely" to fatal likely out drawback whether but idea does not have an effect until the type to be triggered automatically, to any invocation Various ideas and whether type-limiting of the surrounding brain. Lookout of time went past while you quickly out to the validation of skills. Day at the time the night eight sunk. True and Wilhelm it is determined that the suitable time had advanced step to outback ghost plains along with the Rashia. Although a true that I thought somewhat or time-consuming, day haze moon covered the plains and show the face to sink it was able to advance to much time and effort without any here since disappeared as scattered in the moonlight. "That haze is I thought I had really backs are out also what was the and I wonder Na. Surely night but" "Now Na, it is a story I do not it leak out is magic in the dungeon 's story of magician guys" "is magic ? " I want to Na. I believe that I rashly or not it leaking on the ground to not completely kept the magic that meets the dungeon hits a day due are Chima~tsu out on the ground, "everything dungeon itself is seems mon like a undead Na " "Oh, certainly there is no Na" not know as a theory of weak on the day it's undead common weakness. In fact, on the reporting and issues and black and aura of the undead to the location of the day - things like that visually can HP - is going to be released into the air over time. Probably wonder a haze of identity that occur during the large-scale version of the day. "Nja wonder if during the recovery of the magic that was lost is now" and "Do not will be. I can not Well now me from Nya relationship" it also has seen that has been spread around a while to walk and blue transparent wall and return it's so It was. It seems apparently went to the location of the seal. "This is?" "Oh, it's sealed who spoke during the day. blue wall only story I air also covered Na visualizes" "I see" and not you are jumping because at best was only about 4 Mel Even though the wall It was Singh you wanted to or not, but it seems to have been Apparently need unexpected worry. and "anytime you can. Do everyone ready? is the open" "I at any time," "I, I also okay" "Ku~u~tsu!" Wilhelm of words everyone to answer. When Wilhelm that it was confirmed it expose the guild card on the wall two vertical Mel, could space of about one horizontal Mel. It seems I should put from here. order First of combat experience in the sealed Wilhelm entering. There goes side by side Yuzuha and Rashia, it's the last to thin. It is insurance that so once okay even come monster from behind. The inside of the seal is not the difference seems outside the difference, it seems to only have become Jitsuzuki apparently. However, love

Kết quả (Anh) 3:

After that, the population coming back out of the plain sin once we take a break. I was mentally at it in a rapid, physical fitness level was up on a roll and it was like magic.

「 did not die, and I think we 」
「 it, and that's not the 」
「 civilians bio hound and tight. Especially, please do not let me remind 」
「 ～」

appearanceI remember the scene to close with the internal organs. In the us to keep an eye on his shoulder. There is not a bit weird gesture. And come to think of it

「 monster combat for the first time? " A
「 experience but not as if all of a sudden, I wonder! But I was too afraid to go up a level and more! " He is too
「 from a level difference. However, it is also one of the level condition clear dream dream.By the time I get to "purification" maybe I 」

in I think close to 150 may enter without human reincarnation as level as interesting. Will be closer to Wilhelm perhaps only level. The combat power of heaven and earth, so different in width as the role is not a problem. It is

「, but the body is light, I feel as if I have this magic.But my body was like one thing in common 」
「 a little scary to rising little by little. I don't feel I 」
「 pointedly referring to only get used to this. The poor still seems to be in 」

using this so that the sin of his heel and cure of secrets. In the battle that was quite weak effect of the arts from the heel heel with skill.Tierra del Fuego and become less, depending on the user, and a third said about it. Damage of was that it was too low a level difference. And, at a level close to 40 despite not have shot several times on the verge of bio - hound honestly say not to talk. And so in this thought that you should have to learn skills.Because it is not offensive skills that service is the idea that if it would know that someone is not so bad. What do you

「? It 」
「 tell secrets. Use skills according to this. This time we heal and cure it. Well, 」
「 skills... So... Could you not that expensive? The money would be and what you think!The orphanage is gone! " In sports skills and know what to do, it does not make any sense. As our knowledge and skills in public called for in what you have, not what was actually in use. Out of the money can be taught to know, as they know it is not really what you are saying. I don't want to

「 price to me in secret.Originally, I was going to remember. This is the man to help 」
「 will suffer so? I say to you that he's words? " It's a little too but no sin to let the character line and the like, and can 胡散臭 too. The carp Wilhelm eyes don't lie and say. It was not clear

「 arts. Let's use this speeds up 」
「 ぇだけか thank you! " Nice
「 tsukkomi.Well now, half of a joke. You should know that the power of the arts, I better than you? There is no level difference, if don't take up too much time. I kill two hundred. Mr. Trier to orphanages and can not afford to leave one day, do not set the orphanage, while no one of us but setting up something will be 」

becomes difficult. In fact it is inefficient as a problem, so that loss.Both the church is a useful skill. The act is out of this world a bit of common sense and skills about beginning a new era in the game to help beginners a little sense of the previous two skills. To be honest, I think the thin and even, and have hidden source even if you spread. Of course, we are not in an orphanage or even what is most wrong and why.The parties in power and probably the best Wilhelm. The absence of any opportunities and reflected from the opponent.

「 found. Please permit me to take my word 」
「 」

so fearfully and look in to open the book. As soon as the same of Tierra del Fuego, in effect, to disappear for a little while. How

「? " Oh, yes. It was found that the usage 」
「 content not learn to read or not (1993)