忠告は一度だけ・後編【月赤】 腕の中にある温もりは きっともう離せない この先、逃がすつもりも 【忠告は一度だけ・後編】 “ゴンッ” あと少し、数センチという所で響いた鈍い音。ファインが力の限り頭を下げ、おでこ同士がぶつかったものだった。ジンジンと地味に痛い。 ファインは観念したように「わかったから!言うから!とりあえずそこどいて!」と必死に叫び、シェイドは目の前で大きくため息を吐いた 「あの、その、ね………だってシェイドが悪いんだからね!」 「……は?」 急に出た自分の名前に全く思いあたることがないシェイドは怪訝な表情を浮かべる 「シェイドがレインの前でカッコつけたりするからレインが!…レイン、シェイドのことカッコいいって。今までブライトばっかりだったのに最近はシェイドのことまで……レインがあんまり2人のことばっか話すから!」 「…お前まさか」 「なんか悔しくて、レインとられちゃったみたいで、さ。…なんかシェイドの情けない写真とかあればって」 ファインは下を向く どんな事情かと思えば…シェイドは唖然と固まったまましばらく動けなかった。が、その場にへたれこんだファインを見ながらあるひとつの考えにたどりつく。 「おい、まさか宝石の国でも今みたいなこと、するつもりだったのか?」 ぎくっと肩を揺らすファインを見て、考えは確信に変わった 「まさか、まだやろうなんて思ってないだろうな?」 「えっ…」 ファインの反応にシェイドは表情を一層厳しくしたが、ファインも負けてはいられない。「そ、そんなの、シェイドには関係ないでしょ!」と言い返すと頬を膨らませそっぽを向いた。 そう、たしかに自分には関係ないかもしれない。けど、放っておけないのも本心で だいたいあいつは… ブライトがファインに好意を持っているのははたから見ていればわかる。それはファインも気づいているはずだ 無防備なのだ 知らないのだ 男というものを シェイドの視線を受け、「…な、何?」とファインは顔をしかめた。だが、ファインを見下ろすシェイドの瞳はあまりにも熱くて、見ているには気まずくて。耐えられずファインはパッと顔を背けた。 シェイドはその様子を見てため息をひとつ。 “もう離してやれないんだよ、お前を” そう自嘲気味に笑い、ひと息吐くと目に力を宿した。 ふとファインが視線を戻すと再びぶつかるシェイドの瞳。先程までと全く違う雰囲気にビクッとした。 なんだか嫌な予感しかしなかった ファインが言葉を発しようとした瞬間、伸びてきたシェイドの手。身構えるファインだったが、その手は少し乱暴でドンッとファインを壁に抑えつけた。ファインは予想外のことに驚き唖然とシェイドを見上げる。 「俺の部屋に勝手に入ったからには、覚悟できてるんだろうな?」 「…え、何が?」 「男の部屋に入って、お前何されても文句言えないだろうが」 ファインは一瞬目を見開くが、言葉の意味が理解できないようだ。 シェイドの手がスッとファインの頬に触れる。すると頬は一気にかぁっと熱が帯び、真っ赤に染まった。 こんな反応をするくせに こんなに気を持たせるような反応をするくせに 触れようとすると「待って」と距離を置く だから、待っての言葉なんか聞こえない。顔を背けようとしたってそんなの許さない ファインは目を見開いたまま抵抗もできず、シェイドの瞳に映る自分を見た 静かな青い瞳が熱を帯び、ユラユラと揺れている。きっと自分はこの青に飲み込まれてしまうのだろう シェイドの瞳が再び落ちていくのを見て、ファインは覚悟を決めきつく目を閉じた 「……っうひゃ」 ビクッと落ちてきた予想外の感覚にファインは目を開ける。そこにシェイドの顔はなく、呆然とするファインの横からこらえるような笑い声が耳元で聞こえた 「ばーーーか」 我に返るにはその一言で充分だった 「っシェイド!!」 ファインは耳まで真っ赤になりながらシェイドを怒鳴ると左側の耳を両手で抑えた 「な、何するの!み、耳!今耳かんだっ!!」 「お前が悪いんだろうが…少しは思い知れ」 「ば、バカ!スケベ、シェイドの変態!」 「人の部屋に勝手に忍び込むプリンセスに言われてもな」 「な!」 痛くも痒くもないとシェイドは続ける 「これに懲りたら今後軽ずみな行動はやめるんだな。何されてもおかしくない」 「そんなのっ」 “シェイドしかやらないよ!”という言葉をファインは飲み込んだ。これ以上なんかされたら心臓がもたない その様子を見たシェイドはどこか満足したように笑う。そして先程までのことが嘘のように「立てますか?」とプリンスの紳士的な態度でファインに手を差しのべてきた。 言わずもがな、ファインは「結構ですっ」と力一杯断ったのだが。 プリンセスはだいぶご立腹のようだ 「ではプリンセス・ファイン、のちほど……次はないからな」 扉に手をかける際、シェイドはファインを振り返りながら意味深な笑みと一言を付け加えていった。 パタンと扉が閉まり一時 言葉の意味が理解できずボーッとしていたファインだったが、今までのことがブワッと頭に流れこんでくると“からかわれた!”とその一室で力の限り叫んだのだった。 くるくる変わる表情 太陽みたいに眩しい笑顔は、いつしか目が離せなくなった けど、無防備なのはお前が悪い いつも覆い隠しているものが溢れ出てしまうから だから、一度だけ忠告。 『次はないので覚悟してください』 Bài viết: Cái gì này mà dịch ra tiếng việt rồi đọc gì ko hỉu gì hết có ai hỉu hk(Mặc dù là truyện F AND S) Nguồn Zing Blog
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